スポーツで脱炭素の行動変容を推進するデコポンの取り組み

March 31, 2026

▼コラム

SDGインパクトジャパンでは、個人の脱炭素行動の変容を促進することを目的にブロックチェーン/web3を専門とする株式会社レシカと共同で株式会社デコポンを2024年に設立しました。

デコポンは脱炭素(Decarbonisation)とクーポン(Coupon)を組み合わせ、個人の脱炭素行動をクーポンのような経済価値に変換し、個人に還元することで行動変容を推進していくことを目指して立ち上げられました。

特にブロックチェーンの技術をベースとして、個人のさまざまな環境行動からカーボンクレジットを組成し、それをNFTの形で個人が所有できるようにすることで、個人がカーボンクレジットを経済的なインセンティブとして活用できるようにしていくプラットフォームを作っています。

デコポンは昨年から本格的に事業を開始し、これまで基盤技術の開発や特許の取得などを行ってきました。基盤的な準備が整いつつあり、今年から本格的な展開を進めていく予定です。

その第1弾として、プロバスケットボールチームの「佐賀バルーナーズ」とスポーツを通じてファンと脱炭素の行動変容を推進する実証を実施しました。佐賀バルーナーズはプロバスケットリーグ「Bリーグ」の1部リーグに所属する九州地域の名門バスケットボールチームです。最新鋭の観戦設備を備えたSAGAアリーナをホームとし、ホームゲームでは1試合に約8,000人もの観客を収容し、周辺地域でも有数の集客力を誇っています。

3月7日・8日にSAGAアリーナで開催された佐賀バルーナーズ vs 宇都宮ブレックス戦において『SAGAアリーナで「環境価値」を「経済価値」に変える実証実験』と題してバルーナーズとデコポンとの実証を行いました。

限定ステッカー購入で脱炭素に貢献!SAGAアリーナで「環境価値」を「経済価値」に変える実証実験を実施します

バルーナーズとの実証では、ブースター(Bリーグでのファンの呼び名)と一緒になって地域の脱炭素を推進するため特別なグッズを企画し、来場したブースターにグッズ販売を実施しました。購入したグッズの売り上げの一部は佐賀の森林保全を推進するためのカーボンクレジットの購入に当てられ、購入されたカーボンクレジットは佐賀バルーナーズが試合で消費する電力による排出削減に充当されます。

また、デコポンからゲーム当日のキッチンカーなどで利用できる割引クーポンが提供され、ブースターの参加を促すインセンティブとして提供しました。

佐賀バルーナーズを応援することが、結果的に気候変動の支援にもつながるような仕組みの実証となりましたが、実証後のアンケート回答でも「いままで脱炭素を意識したことはなかったけど、推しの選手を応援することが環境保全にも繋がるのは嬉しく、引き続き参加し続けたい」といった回答も得られました。行動変容を進めるには、環境意識が決して高くない方でも自然に参加できる仕組みの提供が必要です。本実証で、環境意識の高さに依存しない「応援」や「特典」といったインセンティブが、行動変容のきっかけとして有効であることが示唆されました。

日本の2030年に向けた脱炭素目標では、日本の温室効果ガス総排出量の8割を占めるエネルギー起源のCO2排出の中で、家庭部門からのCO2排出は2013年比で66%削減が目標に掲げられています。カーボンニュートラルの達成には、企業が排出削減を推進するだけでなく、消費者がより低排出の製品・サービスを選択したり、消費者が脱炭素の活動に参画する行動変容が不可欠です。

デコポンはまだ立ち上がったばかりですが、個人の行動変容を呼び起こすプラットフォームとして取り組みを加速してまいります。

▼SIJの活動状況・ニュース

モルドバ・Zernoff Ethanolにおける廃棄物エネルギー化JCMプロジェクトがモルドバ政府からProject Idea Note (PIN) のNo Objection Decisionを取得しました

本プロジェクトは同国最大のエタノール製造施設において廃棄物のエネルギー利用を導入することを目的としています。
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モルドバにおける埋立地ガス回収JCMプロジェクトがNo Objection Decisionを取得しました

本プロジェクトは、埋立地から発生するガスを回収し発電に利用することで、メタン排出の削減と再生可能エネルギーの活用を推進するものです。
詳細はこちらをご覧ください

▼そのほかのニュースはこちら

https://sdgimpactjapan.com/jp/news/

▼Link

Wataru Baba

Senior Fellow, Climate and Sustainability at Panasonic Group since 2022, where he accelerated the company’s growth through an integrated strategy for creating positive impact on climate change and established Sustainability Committee, chaired by the Group CEO. Board Member of Japan Professional Football League (J.League) and Independent Director for a civic technology nonprofit, Code for Japan, and a web3 startup, Financie, Inc