日本のジェンダーレンズ投資の大きな可能性を探る

▼コラム 女性活躍推進が遅れているからこそ見いだせる 日本のジェンダーレンズ投資の大きな可能性を探る ジェンダーレンズ投資とは? ジェンダーレンズ投資とは、意思決定プロセスに意図的にジェンダー視点を組み込むことで、ジェンダーバイアスを排除/改善するための投資手段であり、ビジネス、社会、環境、投資成果の向上を目指す投資です。 日本においては、男女賃金格差や金融アクセスにおける格差、就業機会や社会参加の機会等における格差は、世界に大きな後れを取っており、それが深刻な社会課題として取り上げられるようにもなっています。最近発表されたジェンダーギャップ指数2023では、日本は146か国中125位とG7最低、アジアでも多くの国を下回る過去最低を記録しています。(*1) ジェンダー格差が解消されることで、GDP が平均で 35%増加する可能性がある (*2) とも言われています。それだけ女性が活躍することは経済効果に大きなインパクトがあることは各機関の調査でも明らかになっています。 *1 WEF https://jp.weforum.org/press/2023/06/jenda-gyappu-repo-to-2023-surujenda-made131/ *2 国際協力NGO ワールド・ビジネス・ジャパン https://www.worldvision.jp/children/poverty_03.html 笹川記念財団が実施した、女性への経済的エンパワーメントに関する調査によると「東南アジアにおける女性の職業のうち「起業」が最大シェアを占めています。また、女性の経済力の高まりは、国や地域の経済成長に大きく貢献しており、女性の零細及び中小企業(SME)は東南アジアのGDPの30-53%を占めています。一方、アジアにおいて女性がビジネスを行う上で金融アクセスが大きな問題となっていること」(*3) が判明しています。 *3 笹川平和財団 ジェンダーイノベーション事業グループhttps://www.spf.org/programs/gender/ 海外のジェンダーレンズ投資は急成長を続けている女性および女性を支援する事業の金融アクセスを向上させ、ジェンダーの平等を推進すると同時に地域全体の経済発展に寄与することを図るジェンダーレンズ投資商品は海外ではすでに運用が活発に行われています。 2021年12月発表のWharton Social Impact Initiativeのプロジェクトセージ4.0レポートによると、プライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピタル、プライベート・デット・ファンドのジェンダー投資ファンド数は206、同レポートの前年度の138から約1.5倍に急増しています。 (図1*) *図1 Project Sage 4.0 2020年12月~21年7月期間の調査https://www.wharton.upenn.edu/story/new-gender-lens-investing-research-insights-from-project-sage-4-0/ この背景には、ジェンダーレンズ投資が経済的なリターンと同時に社会的インパクトの両方を追求できるというベネフィットがあるからです。以下にその内容をまとめました。 (図2) 女性創業者の企業は、女性の雇用や社会的地位の向上をもたらすのみでなく、社会の多様性を高め、社会課題解決思考のビジネスの創出にも貢献しています。金融庁による提言内での女性起業家への投資によるインパクトへの言及でもそのベネフィットが述べられています。 収益性という観点では以下のようなKPI評価も実証されています。 ・女性創業者のいる企業への投資は、男性創業者のみの企業への投資よりも63%も高いパフォーマンスを示す ・イノベーションチームに女性を登用し、女性の消費者をよく理解している事業はそうでない事業にくらべ成功確率が144%高い(CTI) ・マイクロファイナンス業界からの経験によると、女性に対する投資は平均に比べて貸し倒れ率が低い(世界銀行) また、社会的インパクトの側面では、金融庁による提言内での女性起業家への投資による以下のような言及も行われています。 当社の取り組み 2023年9月17日に国連本部で行われたSDG Action WeekendのSide EventであるScaling Up Gender-Lens Financing: A Catalytic Tool for Advancing all SDGs(*4) のセッションにパネリストとして登壇してまいりました。インパクト投資、資本動員、インパクト測定・管理の専門家を含む民間セクターの女性リーダーたちと、SDGsのためのジェンダーレンズ資金調達を拡大するための最新のイノベーションと経済的推進力についてそれぞれの見解を発表しました。 […]
アグリ・フードテック・ミートアップ2023 イベントレポート

▼AgFunder×JETRO共催アグリ・フードテック・ミートアップ2023 イベントレポート AgFunderと日本貿易振興機構(以下JETRO)がホストとなり、弊社SDGインパクトジャパンが運営主体となった ミートアップイベントが7月25日に都内で開催されました。このイベントは、日本・海外のスタートアップや、日本の大手食品・飲料メーカーの担当者、ベンチャーキャピタル, 金融機関、行政などアグリ・フードテックに取り組む200名以上の方々が会場およびオンラインで参加されました。メインのピッチイベントには、日本のアグリ・フードテックスタートアップ企業の応募の中から選ばれた6社が参加。熱のこもったプレゼンテーションに、会場は拍手喝采となり熱気に包まれました。今月のコラムでは、このイベントレポートをお届けいたします。 オープニングスピーチとなったのはJETRO様。現在展開している日本企業と海外のスタートアップのオープンイノベーションのサポートや、海外企業と日本の企業家をコネクトする支援活動に関してJETROイノベーション部樽谷氏からご説明いただきました。 JETRO 樽谷様 多角的なサポートを無償で提供されているJETROの活動報告はこれからのスタートアップ企業や企業にとっても改めてその存在意義の大きさを確認する機会となりました。 続いて、AgFunderでアジア・ディレクターを務めるジョン・フリードマン氏からAgFunderの活動に関するプレゼンテーションが行われました。 「AgFunderは、シリコンバレーとシンガポールを拠点に、アグリ・フードテックに特化したグローバルなベンチャーキャピタルで、独自のデータベースには40,000社以上のスタートアップの情報を有し、今まで1億8000万ドルの投資を行っています。AgFunderはSDGインパクトジャパンとインパクトファンドを運営しており、2500万ドルを目指してキャピタルレイズを行っています。本ファンドはCO2排出やフードロスの削減、土壌や作物のモニタリングの改善、バイオ、デジタルを通じた効率化など、持続可能な食糧システムを実現する可能性を持つ優れたスタートアップに投資を致します」と説明しました。 今回のミートアップのメインイベントとなった国内スタートアップによるピッチには、34社の応募から事前審査を通った以下の6社が参加しました。限られた時間の中で、それぞれに個性的で革新的なアグリフードのテクノロジーと事業戦略がプレゼンテーションされ、会場からも質問が多数飛び交いました。6社によるピッチは、ソリューションの期待度、ビジネスとしてのインパクト大きさ、チーム性という観点で審査が行われ、以下の3社が受賞しました。審査員からは、どのチームも素晴らしく、参加者の情熱やテクノロジーの可能性、プレゼンテーション力の高さなどが印象に残ったという総評が寄せられました。 ピッチ各賞の受賞者と審査員の皆様 アグリ・フードテック・ミートアップ2023大賞 「ファーメランタ」 「合成生物学による微生物発酵を通じて、有用物質生産手法に産業革命を」をミッションに持続可能、スケーラブル、安価な方法で植物由来成分の革新的微生物発酵プロセスを開発し、植物由来の多種多様で希少な成分を生産。その成分は医薬品、健康食品など人々の健康増進に使用されています。 大賞を受賞した「ファーラメンタ」柊崎氏 明治ホールディングス賞 「エンドファイト」 「すべての土壌に生命を吹き込む」をテーマに、エンドファイト(微生物)技術を使って劣化した土壌上において良好な土壌上以上の農業生産を実現することを目指しています。この技術によって価値を生まないすべての土壌が高付加価値な土壌となります。実現化することで、世界における土壌再生エコシステムが構築されます。 明治ホールディングス賞を受賞した「エンドファイト」風岡氏 アサヒクオリティアンドイノベーション賞 「ジカンテクノ」 一次産業で排出される残渣を二次産業の高機能素材へ転換する技術を開発。もみ殻、そば殻、カカオハスクなどを高純な素材に転換することで、カーボンニュートラル、ライフサイクルアセスメント、カーボンフットプリント、サプライチェーンの見直しにも貢献できる技術です。生産されたシリカはすでに商品実用化されています。 アサヒイノベーションアンドクオリティー賞を受賞した「ジカンテクノ」木下氏 参加6社は以下の通りで、キユーピー株式会社より全員に参加賞が授与されました。 エンドファイト:微生物の力で、劣化した土壌環境でも良好な農業生産を実現。 フェイガー:農業由来カーボンクレジットを生成・販売。 キニッシュ:バイオテクノロジーを活用し、味に重点を置いた代替食品を開発・販売。 ファーメランタ:合成生物学により植物由来の希少成分を微生物で発酵・生産。 グリーンエース:廃棄野菜を粉末化し、様々な食品に取り入れることでアップサイクルを実現。 ジカンテクノ:もみ殻・大麦殻などの1次産業の残渣(ざんさ)を原料に、グラフェンやシリカなどの高純度な素材を製造。 アグリ・フードテック業界オピニオンリーダーのインサイト 日本の食品産業をリードする3社のパネリストによるディスカッション 6社のピッチの間には、「アグリ・フードテックが生み出すサステナビリティ インパクト&イノベーション」と題したパネルディスカッションが行われました。パネリストとして、アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社前田氏、明治ホールディングス川初氏、キューピー株式会社田中氏にご登壇いただき、モデレーターは弊社Co-CEOの小木曽が務めました。技術に造詣が深く、海外ビジネス展開のご経験から語られるお話は、具体的な事例の説明や、企業理念に基づく開発の背景なども含まれており、スタートアップ企業だけでなく、参加大手企業様にも大変参考になるものでした。 農林水産省「フードテック民間協議会」もフードテックビジネスを応援 続いて行われたフードテック民間協議会の説明には、農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部から片瀬氏にご登壇いただきました。フードテック民間協議会は産官学のステークホルダーの協力を得て2000年10月に設立された団体で、食・農林水産業の発展と食料安全保障の強化に資する資源循環型の食料供給システムの構築や高い食のQOLを実現する新興技術の国内の技術基盤の確保に向けて、協調領域の課題解決の促進や新市場の開拓を後押しする官民連携の取組を推進することを目的として活動しており、すでに会員1190名(参加企業数620社)が所属しています。 海外スタートアップ企業の日本での成功事例 ~日本でのビジネス浸透の難しさ 続くパネルディスカッションでは、弊社COOの前川がモデレーターとなり「Innovation Impacts : Overseas Startups doing business in Japan」をテーマに、海外から日本に進出したスタートアップ2社の代表から事業展開事例をお話しいただきました。 キノコレザーがパリコレを歩く! まずはキノコレザーで一躍有名になったMYCLのAdi Reza Nugroho氏。「海外市場への進出に際し、2年前に日本を潜在マーケットとして選びました。NHKの番組で紹介されたことで知名度を上げ、日本とデザイナーと協力体制を組んで市場を開拓してきました。躍進のきっかけはパリのファッションウイークへの参加したことで、キノコレザーのジャケットやスニーカーが大きな話題となりました。また、生産の安定を図るため長野のキノコ生産業者と協力し、自動化システムを導入することで、生産能力の拡大、生産コストの削減などを図りました。まだまだ課題はありますが、市場のマーケット開拓を促進してきます。」と語ってくれました。 日本のシーフードには文化的、伝統的な歴史がある 続いて登壇したのは、培養魚開発、および導入を目指すUMAMI MeatsのMelody Mathavan氏です。「世界的危機に直面する海洋資源の保護、そして日本人の魚食文化を守るため、日本に進出することを決めました。日本企業と提携しながら最先端のテクノロジーと美味しい魚介類を、世代を超えて提供するエコシステムを導入するビジネスを展開していきます。」とその抱負を語りました。 「Innovation […]
人的資本とダイバーシティ経営

▼セミナーレポート「人的資本とダイバーシティ経営」 先日、第二地銀協会様で弊社Co-CEO小木曽が講演をさせていただきました。以下はその講演内容の要約となっています。 テーマは「人的資本とダイバーシティ経営」。前半で「人的資本」について、後半で人的資本と「多様性」がどのようにつながるかをお話させていただきました。 前半:「人的資本」とは何か 昨年から「人的資本」という考え方が急速に広まり、2022年は「人的資本・無形資産改革元年」と言われます。この背景には、政府が推し進めたということに加え、投資家からの圧力があったということも無視できません。実際に欧米では日本よりずっと厳しい、人的資本と多様性に関する開示要請が存在します。 実際、ESGのうちS(Social)、人的資本活用は、株価のパフォーマンスに大きな影響をもたらす要素となっています。グローバルの資本市場で、40%くらいのファンドが何等かの形でESGを意識したものになっていますが、一般的にESGファンドへの組入比率は、欧米株に比べて日本株がとても低くなっています。その一因にはESGのSの対応の遅れもあると言われています。 日本企業の人的資本開示における課題の中で大きいのは「人的資本について説明が充分にできていない」ということです。日本はリーマンショックの時にも欧米にくらべて人を解雇しなかったですし、従業員を大切にしていると言えるでしょう。しかし、自社の人材戦略をロジカルに説明していないケースが非常に多いのです。そのため株価にも人的資本価値が反映されていないとされています。開示すべき内容は、従業員エンゲージメント、新技術(デジタル化、脱炭素化等)に対応する人材をどう確保するか、外部人材の登用等さまざまです。 人的資本開示に求められるものは何でしょうか。そのためにはまず「人的資本」という言葉を理解する必要があります。1990年代は人的資本ではなく「人的資源」という言葉が使われていました。「資源」は使えば減ってしまいます。一方「資本」は投資の対象です。「人」を「資本」と位置付けて、人的投資(教育、研修等)をすることによって能力を磨き、収益に貢献するものととらえるのが「人的資本」の考え方です。 人的資本開示には様々なものがありますが、従来は「リスクマネジメント」の観点で、コンプライアンス、労働慣行、安全などととらえられてきました。現在はそれに加え、「価値向上」の観点が重要になり、人材育成、エンゲージメント、流動性、ダイバーシティなどの開示が求められています。 ここで大切なのが、ただ単に数字等を開示するのではなく、中長期の経営戦略と人材戦略をきちんと結びつけて開示するということです。ストーリーをもって経営戦略の一環として人材戦略を説明する、そういうことが求められています。人材育成に関する開示基準は様々で(ISO、WEF、SASB、GRIなど)統一されていません。投資家が求めているのは、どれかの基準に則った開示ではなく、経営戦略のストーリーの一環としての人材戦略なのです。 後半:人的資本と「多様性」のつながり ここからは人的資本開示でなぜ「多様性」が大切になっているのかというお話になります。 まず、投資家は人的資本開示のうち「多様性」に関する方針、つまり経営目標とからめたストーリーの開示を一番重要視しているということがあります。これは企業側が人的資本関係のKPIを最重要視していることと、乖離しています。EUや米国でも多様性、ジェンダーに限らず人種等の多様性に関する開示の要請が高まっています。 なぜ投資家は多様性を重要視するのでしょうか。 二つの理由があります。一つ目は人権的な観点です。科学的なテストでは男女の能力差がないことが証明されており、男女で賃金格差など、差をつけることが人権リスクとなりうるからです。二つ目は経済的観点です。多様性、Diversity and Inclusionが進んでいる会社のほうが収益性が高い傾向にあります。多様性がイノベーションの源泉となっているのです。さらに消費者や従業員の価値観も多様性を受け入れる方向に大きく変化してきています。 多様性を軸とした人的資本経営とは、まず人的資本=人の持つ能力やスキルを「資本」ととらえることから始まります。あらゆる「資本」を活かすような人事改革や人事施策を行うということです。従来、チームのパフォーマンスは、どれくらい高い能力の個人を集めるかに左右されると考えられていました。今は、チームのパフォーマンスは個の総和ではなく、どんな人的「資産」があるかによって左右されると考えられています。つまり、多様な個人がいたほうがその個人が保有する「資産」も幅広く、高いパフォーマンスに帰結します。つまり、全く違う視点を持っている、というだけでバリューとなるのです。このような考えのもと、今後は人事戦略の根幹に「多様性」を組み込むことが必要になってきます。 コンサル会社などによる様々な調査により多様性と企業のパフォーマンスには「関連がある」ということが示されています。FTSE350企業に対する調査では、経営層の多様性が進んでいる企業は将来の財務パフォーマンスでプラスの影響を受けるという事実がある一方、正しくマネージメントせず、むりやりダイバーシティのみを勧めた場合には、短期的にも長期的にもマイナスの影響を及ぼすという結果になりました。つまり、経営陣が「腹落ちしていない」状態でダイバーシティを推し進めるといい結果にはならないということです。 それでは、多様性とは何でしょうか。 多様性には二種類あり、デモグラフィ的(表層的)ダイバーシティと、認知的(深層型)ダイバーシティです。前者は個々が生まれながらに持っている、男女、人種、年齢、障がいなどの自分ではコントロールできないダイバーシティです。後者は、ものの見方や考え方の多様性で、環境や時間の経過などで変化するダイバーシティです。両者の関連性は高く、通常デモグラフィ的多様性が高いと認知的多様性も高くなります。 そういう意味でも、日本においてはジェンダーの多様性を高めることが、両方の多様性を高めることにつながり、ダイバーシティ経営の基本となるわけです。 このようにDE&I(Diversity, Equity and Inclusion)の推進の基本として、ジェンダー平等があり、その先に女性活躍推進があります。日本の場合、最初に「女性活躍推進」が謳われてしまったため、ちぐはぐなことになってしまいましたが、ジェンダー平等が基本にあり、その先に女性活躍があるのです。 ちなみに、DE&IのEquityはEqualityの異なった概念となります。Equality(平等)はすべての人に同じものを与えるということですが、Equity(公正)は、それぞれの状況により合わせ、全ての人が最大限の能力を発揮できる様により必要な人により与えるという考え方です。ダイバーシティを推進するためにこのEquityの概念は大切になります。 ダイバーシティを推進するにあたり、人には誰しも「無意識の偏見」があることを認識しておくことが大切です。自分では気づいていないため、無意識の差別につながる可能性があります。ひとつは評価にたいする無意識の偏見。一般的に人は同性に対して異性よりも高い評価を下す傾向があります。つぎに女性自身がもつ無意識の偏見。一般的に女性はセルフコンフィデンスが低い傾向があります。そのためジェンダー平等を推進するには女性の背中を押す、ということが非常に重要になるのです。 偏見は一方で、思考のプロセスを省略して判断を早めるという面もあり、一概に悪いものというわけではありません。しかし、ジェンダー平等を進める上では障害になる可能性があるということを知っておく必要があるでしょう。 多様性を推進するためには、同質のグループで居心地よくやっているという環境を壊すことにつながるので不愉快なこともあります。しかし異質な人が集まったグループのほうがパフォーマンスが高いというのもまた事実なのです。居心地のいい「コンフォートゾーン」から出ないと、イノベーションは起こりにくいのです。 ジェンダー平等とは「個の能力を最大限に引き出す」=「収益」と「人権」両方に配慮した人的資本経営の基盤なのです。効果的なDE&I施策は会社によって違います。まずは社内で多様性のデータを取得し、分析して、その企業ごとの「効果的なポイント」を探ることが何よりも必要となっています。(文責:SDGインパクトジャパン ディレクター 藤村真紀子) ▼SIJの活動状況・ニュース 7/11、7/18:オンラインセミナー「企業価値向上のための人的資本」シリーズの開催 人的資本理論の第一人者であり、人的資本理論でノーベル経済学賞を受賞された故ベッカー教授に師事された 一橋大学大学院経営管理研究科の小野 浩教授をお迎えし、2回に渡り人的資本の理論から経営的な実践について講義をいただきました。2回のシリーズ講演を通じてミクロ編・マクロ編と人的資本理論の企業個別の応用、日本経済を俯瞰した議論を通じて、企業が人的資本に継続して投資をする意義について理解を深めました。多数の方に2回とも出席いただき本トピックの関心の高さが伺えました。 7/25:「AgFunder x JETRO ジャパン・アグリ・フードテック・ミートアップ2023」の開催 AgFunderと日本貿易振興機構(JETRO)がホストとなり、弊社SDGインパクトジャパンが運営主体となり、国内・海外のアグリ・フードテックに関わるプレイヤーが集うミートアップイベントが7/25(火)新丸ビルカンファレンススクエアにて開催されました。 日本・海外のスタートアップや、日本の大手食品・飲料メーカーの担当者、VC・金融機関、行政などアグリ・フードテックに取り組む100名以上の方々にご参加いただきました。ピッチイベントでは以下のスタートアップ6社が登壇しました。大賞はファーメランタ株式会社、アサヒクオリティアンドイノベーションズ賞にジカンテクノ株式会社、明治ホールディングス賞に株式会社エンドファイトが選ばれました。 株式会社エンドファイト 株式会社フェイガー 株式会社Kinish ファーメランタ株式会社 株式会社グリーンエース ジカンテクノ株式会社 (↑ジャパン・アグリ・フードテック・ミートアップ2023 大賞 :ファーメランタ社) ▼そのほかのニュースはこちら https://sdgimpactjapan.com/jp/news/